自分の使っているベッドに、自分よりも一回り大きい男が倒れこんでいる。
尤も彼をこのような姿にさせたのは自分だ。
先ほどまで部屋に響いていた彼の声は隣には聞こえていたのだろうか。
――そんなに声を出すと妹さんに聞こえるよ?
僕の言葉に彼は律儀に反応し、声を必死で抑えていた。
この部屋が防音設備が完備されていることを忘れていたのだろうか。
「全く、可憐な乙女じゃあるまいし」
いつか先生に似たようなことを言われて必死で堪えていた自分と、つい先ほどの彼が重なる。
ぐらりとする感覚を抑え、彼を見る。
そして、思考をリセットする。
次は、どのようなことをさせようか。
考えても、考えても
自分は過去の先生の模倣であり
彼は自分に重なる
そして、自分とは違って決して人形にならない彼に
夢を見ているのかもしれない
- 作品名
- 交差
- 登録日時
- 2010/03/29(月) 23:17
- 分類
- 天宮×冥加