冥加との関係は至ってシンプルで、複雑だ。
ただ互いが気に食わない、というシンプルさと
その背景にある天音という存在の複雑さ。
だから僕らの距離は近くて遠い。
「天宮、お前はそれでいいのか?」
幼い冥加の一言が僕に刺さる。
自分は、何を望んでいるんだろう。
ただ人形のように生きていた僕の心が彼の一言で命を吹き込まれたような。
そのような感覚だ。
だが自分はどうしていいか分からない。
「じゃあ何をすればいいの、かな?」
今まで自分の居場所を奪ったと、憎んできた人物。
そんな彼が僕にとって、変化をもたらすなんて。
「冥加」
今まで何気なくしていた接吻や抱きしめるという行動が出来ない。
一体、僕はどうしてしまったのだろう。
- 作品名
- 戸惑
- 登録日時
- 2010/04/14(水) 00:24
- 分類
- 天宮×冥加