目の前で限界を迎えそうな彼を見て僕はあらかじめ用意していたものを出す。
「これ、小日向さんから貰ったお菓子についていたんだ」
小さいリボンを彼に見せる。
彼女から貰った際に思いついた。
きっと冥加ならよろこんでくれるはずだ、と。
「きっと小日向さん、冥加にもあげたかったと思うから」
と、そのリボンを冥加自身の根元に僕は結んだ。
「何をするんだ」
こうなってしまえば彼は達することは出来ない。
外そうとしても既に彼の両手の自由は奪ってある。
そのまま彼を攻める。
果てたくてもそれが出来ない彼の嬌声が僕には心地いい。
「冥加、君を貰ってもいいかな?」
「バカなことをいうな」
自分のへぇ、という声が嫌に低く感じる。
「じゃあこのままでいいんだ?」
「そう、じゃない」
彼の言葉を無視して、彼の弱い場所を突く。
もう限界だろうに。
彼の根元と同様に冥加という存在を縛る小日向さんが少し羨ましいと思う。
彼女のことを悪くは思えないけれど、縛られている彼があまりにかわいそうで。
「もう俺はお前のものだろう」
僕は
「……泣くな」
涙が止まらなくなる。
手を拘束しているものを外すと、彼は僕を抱きしめる。
こんなことありえないと思っていたのに。
「天宮」
僕は自分自身を彼に打ち付ける。
「冥加、今までゴメン」
彼のリボンを外す。
そして、彼が達するのと同時に僕も彼の中で果てた。
- 作品名
- 束縛
- 登録日時
- 2010/04/05(月) 20:25
- 分類
- 天宮×冥加