なぜこんなことになってしまったのか。
4月1日
ちょっとしたジョークから始まった今の状況はあまりに非日常すぎた。
目の前には律がいて
律の前には俺がいて
何故か二人は一糸まとわぬ姿、と言えばいいのだろうか。
「次は何をすればいい」
一枚一枚俺から服を脱がせたのは律。
律は一枚一枚自ら脱いだ。
ただしそのように指示をしたのは俺だ。
「次、は……」
しどろもどろになりながら目を泳がせる。
このような状況になったのは俺の冗談が原因だった。
部活中の昼休み、ご飯を食べながら今日がエイプリルフールだったことを思い出した。
だからちょっとした悪戯心でいっただけなんだ。
「俺、律が好きなんだ」
「……そうか」
律の答えはある意味予想通りだった。
冗談の延長で俺は言葉を続けた。
「だから律を抱きたいんだけどいいかな?」
律は表情を変えずに、俺を見る。
さすがにふざけすぎたか、と思い「なーんて」と声をかけるつもりだった。
だが
「わかった」
という律の言葉に俺の思考は止まる。
一体今彼は何を言った?
「その……場所は菩提樹寮でいいだろうか」
恥ずかしそうにしながらも言う彼の姿に、俺はただ
「あ、ああ……」
と応えるしかなかった。
まさか本気だとは夢にも思わなかったからだ。
さて、この状況をどうしようか……
据え膳食わねばとはよく言うが……
拒絶をしようとしない親友に呆れる反面、嬉しい気持ちもあり。
次回からは嘘の内容には気をつけようと、自らの行いをただただ反省した。
- 作品名
- 4月1日(大地×律)
- 登録日時
- 2010/04/02(金) 00:24
- 分類
- その他CP