久しぶりに口付けるソレは、七年という長い時間の中で記憶の中のそれとは大分違っている。
体格だって違うのだから当然か、と思いながらゆっくりと口に含んだ。
昔とは大きさも違うそれを、昔と同じように扱う。
「冥加、変わったね」
顔を見ることなく、彼自身に向かって話しかける。
「お前は変わらないな」
彼も僕と同様に顔をみようとしない。
昔は話している時ぐらいは顔を見ていたのに。
「やっぱり、変わった」
クス、と笑ってから彼に口付ける。
それが再開の合図となり、二人の間に会話は無くなる。
名前を呼ぶこともなく、ただ無心でお互いを求める。
始まることがないレッスンのために僕らは続ける。
僕らは先生の作った『天音』という輪から抜けられずにいるんだ……
- 作品名
- 復習
- 登録日時
- 2010/03/30(火) 22:14
- 分類
- 未分類